vol.26
CITROEN
2CV

Loving the Classics > vol.26 シトロエン 2CV

42年間作り続けられた、フランスが産んだ20世紀を代表する大衆車。

コラム

シトロエン 2CV

一度は乗りたかったコンパクトフレンチカー

名車にまつわるオーナーの想いや素敵な繋がりを中心に紹介するコラム「LOVING THE CLASSICS」。第26回は、1988年式シトロエン2CVをご紹介します。数多くの逸話をもつシトロエン2CVは、1948年から42年間作り続けられた、パリジャンのみならず、国内でも知られたフランスを代表するロングセラーカー。この個性的でチャーミングなシルエットは、車にあまり興味が無い人でも映画やアニメのワンシーンで「見たことがある」といった人も多いのではないでしょうか。

数年前に定年退職するまで高校の数学教師だったオーナーの大矢さん、現役時代は自宅から遠い学校へ赴任することもあり、車で1時間ほど掛けて通勤することもあったそうです。この2CVを手に入れたのは30年前。それまでは、国産車をスポーティーに改造して通勤の足として利用されていたのですが、以前から興味のあった2CVがまもなく生産終了になることを知り一念発起。フランス本国生産の最終型を何とか手に入れようと探し回ったところ、近くの輸入業者に最後の新車が2台だけあるとのことで即購入を決められました。

何とも言えない乗り心地と、驚きの走破性能。

購入当時、新車とはいえすでに初期型の誕生から約40年が経っている車。また愛らしい見た目から、以前乗っていた国産車ほどの性能は期待されていませんでしたが、実際に乗ってみると、フランス車らしいフワフワした乗り心地の良さと、602ccという小さな排気量を補う車両の軽さから生み出される豊かな走りに、すぐに魅了されたそうです。特に印象深いのは、急勾配の峠を越えて通勤していた頃、凍結したアイスバーンの下り坂に出合ったときだそうです。4WDの国産車たちが滑って立ち往生している中、ホイールベースの長さによる直進安定性の良さもあり、無事に下りきった時は爽快だったと笑っておられました。1940年代の基本構造から大きな変更も無いままに作られたこの2CVは、シンプルな構造のおかげで、購入から27年間通勤に使用し、30年たった今まで特に大きなトラブルもなかったそうです。また、今でも世界中に愛好家がいることから、機関や外装・内装に至るほとんどの部品を入手できることも、維持できる秘訣のようです。

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趣味が高じて、カフェをオープン。

2CVにすっかり惚れ込んだ大矢さん、旅行先やおもちゃ屋さんなどで2CVのミニカーやプラモデルなどを見かけると、『その時買わなければ、いつか買おうと思った時にはもう無くなってるなんて事もよくあるので(笑)』と、必ず購入するようにしているそうです。そんな2CVのコレクションとは別に、定年後に何か趣味としてできる技術を身に付けたいと、コーヒーのプロを目指す学校に通い、ついに自宅の一角を改装してカフェをオープン。そんな夫の趣味に理解を示す奥様と2CVと、共に歩んできた大矢さんがつけたカフェの名前は「焙煎函数 CAFÉ 2CV」。所狭しと並べられたコレクションの数々、フランスでパティシエの修行経験のある娘さんが焼くお菓子、焙煎機で煎った豆の香りに包まれたその空間は、2CVに愛情を注ぐ大矢さんが創り出す小宇宙そのものでした。

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CITROEN 2CV

フランス語で「2馬力」を意味する2CV。誕生の発端は、当時のシトロエン社長ピエール・ブーランジェによる、農民向け小型自動車の開発指示で、その条件は厳しく、多岐にわたった。大人4人が乗れること、50kgのジャガイモを載せられること、60km/hで走行できること、カゴに満載した卵を載せて農道を走行しても、割れることなく走れる快適な乗り心地であること等。そして苦難の開発により1948年に発表されるも、専門家からはその奇妙な外観に対する批判的な意見が噴出した。しかし高い実用性と普及しやすい価格により数年のうちに広く支持される車に成長。発表から42年の間、累計387万台が作られ、20世紀を代表する大衆車として地位を築いた。

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