vol.24
SIMCA
1000
RALLY2

Loving the Classics > vol.24 シムカ 1000ラリー2

質素なフランス大衆車から生まれた、異色のスポーティーモデル。

コラム

シムカ 1000ラリー2

父親から引き継いだコマーシャルカー

名車にまつわるオーナーの想いや素敵な繋がりを中心に紹介するコラム「LOVING THE CLASSICS」。第24は、1973年型シムカ 1000ラリー2をご紹介します。シムカ 1000ラリー2は、フランスのシムカが1961年から1978年まで生産した小型車、シムカ 1000のスポーティーモデルとして登場しました。

プロのトライアルライダーであるオーナーの森さんは、2005年頃に、お父様からこのシムカ 1000ラリー2を譲り受けられました。家業である輸入ガレージ販売のためのコマーシャルカーであり、お父様が大切に手をかけてきた愛車だったそうですが、お父様の乗る頻度が減ってしまったので、ご自身が譲り受けて、自分の足にしようと思われたそうです。

走りを極めるか、雰囲気を残すか... 愛するクルマへの葛藤

当初、日常的に乗れる状態で譲り受けたそうですが、とは言え、すでに30年近く前に製造された車。凝り性の森さんは実際に乗り始めるといろいろな部分が気になってきたと言います。エンジンのパワーは本来の力が発揮されているのだろうか、また手に入りにくいパーツの代用品はないのだろうかなど、時間ができればヨーロッパ各地からパーツを取り寄せ、少しずつ手を入れていくことになります。「整備は出来る事はすべて自分でやります。自分で分解するから構造が理解でき、こうすればもっと調子がよくなるんじゃないかと試行錯誤していると、だんだんと愛着が湧いてくるんです。」と言う森さん。最近ではクラシックカー限定のヒルクライム競技にも積極的に参加されており、「勝つためには、最新技術のパーツを使うことで、もっと速く走ることも出来るが、クラシカルな雰囲気をほどよく残したい。実はそんなせめぎ合いもあるんですよ」と、車を愛する上での葛藤があるとのことです。

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親子で継承する、クラシックカーへの情熱と文化。

森さんが結婚されたのと同じ時期にお父様から譲り受けたシムカ 1000ラリー2。それから家族が増え、お子さんが成長をしていく時期を一緒に過ごしてきた、家族同様のクルマ。森さんがお父様から引き継いだように、まだ小さい子供達が大人になった時、自分と同じように、このクルマを引き継いでくれたらいいなと、将来の夢を語られる森さん。そんな森さんのお父様は、昔の職人の手仕事で作られた機械や道具が大好きな方。お父様が自分で手を入れて楽しむために所有されているさらに古いクラシックカーを、今では森さんも一緒に、そのレストアを手伝っておられるそうです。「こうやって、古いクルマのレストアを、父と一緒にさせてもらえるようになったのも、このシムカ 1000ラリー2で勉強できたからこそ。そんな父の所有するクルマも、いつの日か自信を持って引き継げられればいいな」と、森さんは話されます。古いものを愛で、自分自身の手で修復しながら長く大切に使い続けるという文化が浸透しているヨーロッパのように、1台のクルマを親子で大切に乗り続けていくという文化が、日本でも根付きつつあることを感じさせてくれます。

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取材・文・写真 : 平間裕司( Style Wiseman )

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SIMCA 1000 RALLY2

シムカとは、1934年にフランスで設立された自動車メーカー。1963年にクライスラー社に買収され、その後、クライスラー社がヨーロッパでの事業をPSA・プジョーシトロエンに売却した1978年に、シムカとしてのブランドは終了となる。シムカ 1000ラリー2は、シムカの大衆車シムカ1000をベースとしてすでに発売されていた1000ラリーのハイパワーモデルとして1973年に発売され、ラリーシーンで活躍し、シムカにスポーティーなイメージを与えることに貢献。シムカ最終年の1978年には、究極のシムカとされる、ラリー3が1000台限定で生産され、その幕を閉じた。

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