VOL.19
LANCIA
RALLY 037

Loving the Classics > VOL.19 ランチア ラリー 037

ラリーへ情熱を注ぐ、
ランチア最後の後輪駆動グループBマシン

コラム

ランチア ラリー 037

思い描いた、最後に欲しいクルマ

名車にまつわるオーナーの想いや素敵な繋がりを中心に紹介するコラム「LOVING THE CLASSICS」。第19回目は、1982年型ランチア ラリー 037をご紹介します。1982年の世界ラリー選手権に投入するために開発され、200台程度しか生産されなかった希少なグループBマシンです。四輪駆動のクルマが主役となりつつあるラリーの世界で、ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式でタイトルを獲得した、最後のラリー車となりました。

オーナーの野井さんは1983年頃、当時FIAT X1/9やローバーミニを探し、あちこちに足を運んでいましたが、とある展示会の会場に展示されていた、精悍な赤いランチア ラリー 037に目を奪われたそうです。「どうしてもこのクルマのエンジンが見たくて、近くまで行ったものの、警備の方に怒られたことは今でもよく覚えています」と苦笑されていました。その後はランチア ラリー 037に関する本を片っ端から買い漁り、想いを馳せる日々だったといいます。そんなランチア ラリー 037が野井さんの手元に来たのは、今から20年ほど前のことでした。もともとイタリアにあったというこのランチア ラリー 037。今買っておかないと、次のチャンスはいつか分からないよという知人の声もあり、野井さんは購入を決断されます。ランチア ラリー 037こそ、自分にとっての最後のクルマという思いがあったのが、以外と早く手元に来たというのが当時の正直な気持ちだそうです。そして希少なクルマ故、パーツを見つけた時は取りあえず買っておくと決めていたそうで、おかげでガレージはパーツだらけ。しかしランチア ラリー 037は、思ったほど故障をしない丈夫なクルマだったそうです。

コンペティツィオーネのようなストラダーレ

野井さんのランチア ラリー 037は、ストラダーレと言われる公道仕様です。しかし、想像したよりも速くなかったという印象で、徐々にコンペティツィオーネと呼ばれる、ラリー用の競技仕様に形を変えていきます。趣味でレースもされていた野井さんにとって、やはり究極のランチア ラリー 037は、ラリーで数々の栄光を勝ち取ったコンペティツィオーネ。手に入れて20年が経つ今も、少しずつ手を入れて、速く、走りやすいクルマにチューニングをしているそうです。季節のいい休日は、早朝の暗い時間に出発し、近場にある素晴らしいロケーションのワインディングロードを走ることを楽しみとされている野井さん。「走って帰り、クルマを綺麗にしてから珈琲を飲む、それでも朝10時。そんな時間のために仕事も頑張れているのかな」と微笑まれる野井さんと、ランチア ラリー 037の蜜月はまだまだ続きそうです。

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取材・文・写真 : 平間裕司( Style Wiseman )

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LANCIA RALLY 037

ランチア ラリー 037は、ランチア ストラトスで培ってきた2WD(2輪駆動)の技術を結集して作り出されたグループBマシン。グループBのホモロゲーション(規約)により、200台あまりが生産された。'82年の世界ラリー選手権でデビューし、多くの4WDマシンたちの中で苦戦を強いられながらも、'83年には、ランチアにメイクス・チャンピオンをもたらした。ボディデザインはピニンファリーナが担当し、競技に勝つことを目的に開発されたクルマとしては、美しく、端正なデザインで人気を博した。

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