VOL.7
TOYOTA
SPORTS 800

Loving the Classics > VOL.7 トヨタ スポーツ800

『ヨタハチ』の愛称で親しまれた
トヨタが誇るコンパクト2ドアクーペ。

コラム

トヨタ スポーツ800

36年連れ添ったコンパクトスポーツ

名車にまつわるオーナーの想いや素敵な繋がりを中心に紹介するコラム「LOVING THE CLASSICS」。第7回目は、1965年型トヨタ・スポーツ800を取材しました。大衆車パブリカのエンジンとシャーシを使って作られた、「ヨタハチ」の愛称で呼ばれる小型のスポーツカーです。

魚見さんがトヨタ・スポーツ800を手に入れられたのは今から36年前。大学を卒業してすぐの頃でした。ちょうど排ガス規制が厳しくなった直後で、乗りたいクルマが思い当たらなかったといいます。そんな時、高校生の頃にいいなと思っていたトヨタ・スポーツ800を見つけ、購入します。当時でも生産からすでに十数年が経っており、特にボディーの状態はよくなかったといいます。10年ほど乗り続けた後に、いよいよフルレストアをしようと決意。まだオリジナルのパーツが手に入る、ギリギリのタイミングのことでした。

自分の手でレストアをする意味

レストアをされるにあたって魚見さんは、できる限り自分で組み上げようと決意します。それは空冷OHV2気筒というシンプルなエンジンと、アルミを多用しながら軽量化を果たしたモノコック・ボディ故のことです。自分自身でパーツを集め、車体を組み上げていく過程は、まるでプラモデルを作っているようだったよと、笑いながら話されていました。細かなネジ類なども可能な限りオリジナルのものを使うというこだわりも、ご自分の手で仕上げたからならでは。そうやってレストアされた魚見さんのトヨタ・スポーツ800は、日本各地のクラシックカーコンテストで優勝し、魚見さんご自身も、知人と共著でレストアの経験を活かした書籍を出版されるまでに至ったのでした。

ヨタハチとの腐れ縁

魚見さんは自ら「クルマ道楽」を名乗り、トヨタ・スポーツ800以外にも、いろんなクルマに乗ってこられたといいます。しかし他のクルマは売ることが出来ても、このクルマだけは手放すことが出来ないそうです。「もちろんトヨタ・スポーツ800が好きだからですが、ある意味、腐れ縁なんですね。でも、歳をとって乗れなくなったら手放すと思います。家族にはこう伝えているんです。もしこのクルマを残して自分が亡くなったら、友人だと名乗る奴には売ったらダメだぞ、きっと安く買おうとするからねって」。そう言って快活に笑う魚見さん。まだまだトヨタ・スポーツ800は、魚見さんと共に走り回るに違いありません。

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取材・文・写真 : 平間裕司( Style Wiseman )

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トヨタ スポーツ800

トヨタ・スポーツ800は、トヨタ自動車が1965年(昭和40年)から1969年(昭和44年)にかけて製造した小型のスポーツカー。愛好者からは「ヨタハチ」の通称で呼ばれる。非力なパブリカ用エンジンで高性能を確保するため、超軽量構造と空気抵抗の少なさで、非力ながら優れた性能を発揮したことで知られる。オープンボディながら難易度の高いモノコック構造を採用し、市販型でも重量は僅か580 kg に抑えられている。本田技研工業が生産したホンダS600/S800の好敵手として並び称され、1960年代の日本製小型スポーツカーの秀作として評価が高い。

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