空の写真家・HABU氏がレクチャー フォトジェニックな空の撮り方空の写真家・HABU氏がレクチャー フォトジェニックな空の撮り方

一眼カメラでワンランク上を目指そう!「空と雲をキレイに撮るコツ」(一眼篇)一眼カメラでワンランク上を目指そう!「空と雲をキレイに撮るコツ」(一眼篇)

「基本篇」 「スマホ篇」と、2回にわたって空の写真家・羽部恒雄さんから、空と雲を美しく、そして表現豊かに撮影するコツを伺いました。ホップ・ステップと来れば、最後は当然、ジャンプです。カメラ女子の広報・原田も首から提げたマイ一眼で、多摩川の河原に広がる空を美しく撮るべく、一眼カメラを使ったワンランク上の「空と雲の写し方」を伝授してもらいました。

空撮影スポットのポイントはこの3点!

刻々と変わる雲の撮影には「オートブラケットを3分の2段ずつ」

「オートブラケット」とは、あらかじめ設定した範囲で、自動的に露光補正した写真が撮れるものです。カメラのメーカーによっては「AEB(キヤノン)」「BKT(ニコン)」などと略されていますが同じもので、一眼カメラであれば、ほとんどの機種に備わっている機能です。空の写真の撮影では、この補正範囲を「3分の2段ずつ」にするのがポイント。

「空の写真の露出は、画面中の白い雲の配分量によって、コロコロと適切な露出量が変化します。雲は常に形を変えたり移動したりするため、カメラを手で持って歩きながらフレームを探して、その都度に露出を計るのでは間に合いません。そこでオートブラケットを設定して撮影すると、3枚のうちのどれかはちょうどいい露出になります。失敗を減らせますし、撮影後にパソコンで補正する手間も減らせます」(羽部さん)

露出を計る際の、2つのポイント

ホワイトバランスの設定でフィルム写真の色合いに

銀塩フィルム時代から空と雲の写真を撮り続けている羽部さんいわく、「カラーネガフィルムは『デーライトフィルム』とも呼ばれ、太陽光の下で撮影したときに仕上がりがよくなるようになっています」。つまり、空を撮るときに、デジカメのホワイトバランスを「オート」から「太陽光(キヤノン)」「晴天(ニコン)」に変更すると、デーライトフィルムで撮った色合いをデジカメで表現できます。夕陽を撮るときも「太陽光」「晴天」でOKです。

曇天時や日陰を構図に含めて撮影する場合は、「太陽光」「晴天」のままでは、夕陽の色が不自然になってしまいます。それを防ぐには、ホワイトバランスの微調整を。被写体によって、色調の振り方や色の設計が違ってくるため、オートブラケット撮影を組み合わせながら、ホワイトバランスを適切に選択して「自分の空と雲の色」を作りだせれば、陰った空もシャッターチャンスになりますよ!

空を撮るときの絞り値はF8!手前にも雲にもピントが合う

形や明るさが刻一刻と変化する、空に浮かぶ雲にピントを合わせるのは難しいもの。空にレンズを向けて半押ししても、ピントが定まらずせっかくのシャッターチャンスを逃してしまうことも少なくありません。一瞬を逃さないテクニックとして羽部さんは、F値を8〜11に設定して、地上にレンズを向け、カメラから3〜5mの辺りにあるものにピントを合わせて、シャッターを半押ししてフォーカスロック。そのまま雲にカメラを向けてシャッターを切ると、画面手前から空の雲にまで、ピントが合った写真が撮れるのだとか。

「もう一つのコツは、ブレないシャッタースピードを選ぶこと。それほど明るくないように見えても、空は相当明るいので、F値が8〜11のときでも、1/250〜1/500といったシャッタースピードで撮影してもそれほどブレを感じません。くわえて、ISO感度を800くらいに、またファインダーに目の周囲をしっかり押しつけて、固定すること。こうしてブレを防ぎます」(羽部さん)

もう一段ランクアップ!そのコツとは?

さらなるランクアップを目指すには、継続が一番の近道。ただし、やみくもにシャッターを切ればいいわけではありません。撮りたい写真が撮れるようになる近道も、羽部さんは教えてくれました。

その1:撮影するときに「絞り値」と「シャッタースピード」を常に意識すること

「ファインダーから見える絞り値(F値)とシャッタースピードを常に頭に入れながら撮ると、写真の腕はどんどんうまくなります。いまのカメラは高性能で、一切をカメラ任せにしてもそれなりに撮れますが、『背景のボケ具合』や『手前から奥までピントがあっているか(被写界深度)』が、絞り値とシャッタースピードとどう連動しているかを意識していると、カメラ任せにしている人と比べて、格段に腕の上がる速度が違います」(羽部さん)

その2:邪魔なものは思い切って捨てる!

「人間の目では違いを感じづらいかもしれませんが、地面を撮るときと、空を撮るときとでは、適切な露出量はかなり違います。太陽を画面に入れると、地面や地上にある被写体は黒くつぶれてしまいます。初心者は、地面や地上を画面に入れすぎて、全体的に真っ黒な露出不足の写真になりがちです。空と雲をメインにして、美しく撮るのならば、ギリギリまで地面を切り捨てて、空だけを画面に切り取るほうがいいのです。入れるとしても、辛うじて入っている程度にとどめておけば、メインが引き立つ写真になります」(羽部さん)

空気が乾燥して、夕焼けが美しくなるこの季節。思い掛けずに遭遇した夕焼けを手元のスマホでパチリと。はたまた、一眼レフを持って、狙い澄ましたタイミングで渾身の一枚を。どちらのシチュエーションでも、すぐに使える「空と雲の写真」の撮影テクニック。ぜひ、あなたもこの秋にお試しください!

写真家 HABU(羽部恒雄)氏

1955年東京都中野区生まれ
10年間のサラリーマン生活の後、写真家に転身。オーストラリアを中心に風景写真を撮り始める。以来、雲、空などをテーマにした写真を撮るためにオセアニア・アジア・アフリカ・ヨーロッパ各地をまわっている。

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