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TOYO TIRES

「タイヤスペシャリスト」のタイヤメーカー技術者が答える、タイヤ保管のQ&A

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読者のみなさんから寄せられた「タイヤ保管」についてのお悩み。「タイヤにワックスはOK?」「積み方は縦と横どちら?」「保管時の適正な空気圧は?」など、気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、タイヤのスペシャリスト、トーヨータイヤの技術者がズバッとお答えします! これさえ読めば、あなたもタイヤ保管名人です!

Q1:土が付いたままの保管は良くないのでしょうか。

Q:物置にタイヤを保管しています。土が付いたまま保管しているので、物置の中が土だらけ…。

A:土や泥などで汚れた状態では水分や油分などがゴムの変質を招く恐れがありますので、水洗い等で汚れを落としたうえでしっかり乾かしてから保管ください。きれいな状態で保管されれば保管場所が汚れたり、持ち運び時に手や服が汚れたりするのも防げます。

Q2タイヤにワックスは逆効果?

Q:洗車の際、タイヤワックスやクリーナーを使うと艶が増してきれいになるのですが、タイヤにとっては悪影響があると聞いたことがあります、本当でしょうか?

A:タイヤワックス等、市販のタイヤ美化剤のなかには、サイドゴムの保護剤が拭き取られタイヤの劣化を促進させてしまうなどの影響を及ぼすものもあります。きれいな状態で保存していただければタイヤも喜びますので、水洗いやブラシで汚れや埃を落とし、乾かしたうえで保管してください。

Q3タイヤは縦積みと横積みのどちらがよい?

Q:立てて保管したほうがよいのか、横にして寝かせて保管したほうがよいのか判断がつかない!

A:ホイールをはめた状態(リム組み)で保管する場合は、タイヤの接地面が重さで変形しないように横積みを推奨します。その際はタイヤの空気圧を通常の半分程度(乗用車用なら1.0kgf/cm2程度)に下げ、エアバルブにはキャップを取り付けてください。タイヤ単体で保管する場合は縦積みでも横積みでも、どちらでも構いません。

タイヤの縦積みと横積みの例

Q4保管に適した気温、湿度はどのくらいですか?

Q:保管場所が普通の倉庫なので、夏は暑く湿気がこもり冬は寒くなります。気温差が激しいので、劣化が早そう。

A:冷暗所保管がベストです。湿気や直射日光はタイヤのゴムを変質させる原因になりますので、雨に当たらず、風通しのよい日陰に保管してください。温度や湿度の目安に関しては、日本の一般的な気象条件レベルであれば特に問題は生じません。

Q5カバーをかけるべきか風通しをよくしておくべきか? また、風に当たってゴムが固くなることはあるの?

Q:ナイロンカバーで覆ったまま保管したほうがよいか、カバーを外して風が当たるようにしたほうがよいかが分かりません。

A:遮光性や防水性のあるカバーをかけて保管すれば埃による汚れも防げます。単に空気に触れることでタイヤが硬化することはありませんが、雨がかかる場所ではカバー内で結露することがありますので、できれば風通しのよい所で保管していただければタイヤも喜びます。

Q6保管の際、タイヤの間に何か挟むべきですか?

Q:タイヤとタイヤの間に何か挟んだほうがよいのでしょうか?

A:ホワイトサイドのタイヤは、白い部分が汚れる可能性がありますので、板やダンボール等でタイヤ同士の密着を防いでください。それ以外のタイヤは、密着させても大丈夫です。また、タイヤ内部の薬品による色移りの可能性がありますので、直接、床に置くことはおすすめできません。色移りしてもかまわない板などの上に置くようにしてください。

Q7タイヤの下にすのこを敷いています。効果はあるのでしょうか。また、コンクリートパネルやウレタンシートでも同様の効果がありますか?

Q:室内に保管し、タイヤの下にウレタンシートを敷いていますがどうでしょうか?

A:どこに保管される場合でも床置きの場合は、タイヤ内部の薬品による色移りを防ぐため、厚手のダンボールや板などを下に敷いてください。すのこの上に置くのもよいアイデアですね。

Q8たまにタイヤを転がしたり、積む順番を変えたりしたほうが良いの?

Q:走行時のように、保管する位置や積む順番をローテーションしたほうがよいのでしょうか。

A:リム組み(ホイール組み)したタイヤを縦積みで保管する場合は、重みで接地面が変形するのを避けるため、月に一度程度、接地面を変えるとよいですね。横積みの場合はそのままで大丈夫です。

Q9:マンションなどでおすすめの保管場所はありますか。

Q:マンション住まいのため保管場所がベランダしかなくて困っています。

A:室内保管ではどうしてもゴムの臭いがしますね。そのため、ベランダなどに保管されることが多いと思いますが、直射日光があたる場合は、紫外線や水分によるゴムの変質を防ぐため、遮光性・防水性のカバーをかけて保管してください。タイヤの保管サービスを行っているタイヤショップを使う方法もあります。

最後に、タイヤ保管のポイントを復習しましょう!

タイヤ保管の大敵は水と油!

⇒保管前に、水でしっかり汚れを落としましょう。

水洗い後は、しっかり乾かす

⇒水分によるゴムの変質を避けるため、洗い終わったらしっかり水分は取り除きましょう。

保管場所は“風通しが良い日陰”がベスト

⇒湿気や直射日光を避けるようにこころがけましょう。

色移りに注意しよう

⇒タイヤの下にも気配りを。どこに保管する場合でもダンボールや板を敷いておきましょう。

いかがでしたか? タイヤへの感謝の気持ちをこめて丁寧に保管すれば、タイヤも喜び、長持ちにつながります。次のシーズンでも快適に使えるよう、ポイントをしっかり押さえて正しく保管しましょう。

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