誤った装着方法で”ブレーキ性能”に差が出る。4輪ともスタッドレスを装着すべき理由(その1)

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今年も残すところ、あと3カ月あまり。関東の降雪はまだ先ですが、地域によってはそろそろ冬タイヤへの履き替えシーズンがやってきます。毎年この時期になると、「チェーンと同じ感覚で、スタッドレスも駆動輪だけ装着すれば良いのでは?」というドライバーの声を聞くことがありますが、実はとっても危険。4輪すべてにスタッドレスを装着すべき理由を、今回は国土交通省による解説動画を参考に、「発進時と制動時の違い」に着目してご紹介します。 

スタッドレスでも油断は禁物! 誤った装着方法で雪道事故を起こすケースも

雪の少ない首都圏だけで見ても、毎年数百件から千件起きている雪道事故。その93%が、滑り止め措置(スタッドレスなど)を施しているにも関わらず発生しています。また、中には駆動輪だけにスタッドレスを装着した車両がスリップし横転、対向車と衝突し、運転手と乗客が負傷したというケースも。スタッドレスを過信しない慎重な運転はもちろん、正しい装着方法も同じく重要といえます。

「2輪のみスタッドレス」の場合、発進時の性能はほとんど変わらない

国交省の実験によると、FF車(前輪駆動車)とFR車(後輪駆動車)の駆動輪2輪のみにスタッドレスを装着して走行したところ、2台とも4輪すべて装着したときと大差なく加速できました。意外なことに、駆動輪にさえスタッドレスを装着していれば雪道をとらえる力は変わらず、発進時においてはさほど影響がないのです。

スタッドレスの誤った装着方法が、ブレーキ性能を低下させる

ところが、ブレーキをかけてみるとその違いは明らかに。同じくFF車とFR車で、スタッドレスを駆動輪2輪のみに装着した場合と4輪すべてに装着した場合を比較してみると、ブレーキをかけてから車両が停止するまでの距離(停止距離)に差が開いてしまいました。雪道に強いスタッドレスも2輪のみの装着ではブレーキ性能を十分に発揮できず、停止距離が伸びてしまうのです。もしもこんな状態で交通量の多い道を走ったら……通行人が突然飛び出してきたら……想像しただけでもゾッとしますよね。

坂道走行時も同様の結果に。特に4WD車の夏タイヤ走行は危険

また、坂道走行時も同様に、上り坂での発進時は大差なく加速できますが、下りでのブレーキ時は停止距離が伸びてしまいます。ちなみに、4WD車(4輪駆動車)の場合は4輪すべて夏タイヤでも、4輪スタッドレスのFF車と同様に坂道を登り切れますが、ブレーキ時には停止距離がかなり伸びてしまうという結果に。下り坂では4輪全てで制動しても夏タイヤの性能しか出せない為、スタッドレスの正しい装着がより重要となります。

雪道で私たちの安全運転をサポートしてくれるスタッドレス。しかし使い方を一歩間違えただけで、思わぬ危険にさらされることも……。次回は引き続き、4輪すべてにスタッドレスを装着すべき理由を「カーブ走行時」に着目してご紹介します。

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