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見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア

見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア
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ドライブ中、何気なく目にしている「道路標識」には、その地域独特の”事情”が隠れているものが…。今回は、雪国ならではの道路標識トリビアをご紹介します。

運転中に見るとあまり感じないが、実際のサイズは結構大きい

見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア

まず、これは雪国に限ったことではありませんが、「道路案内標識」のサイズは意外と大きいのをご存じでしょうか。文字の大きさや文字数などによって異なりますが、交差点手前に設置される「予告案内標識」は縦2.4m×横2.8m、交差点付近に設置される「交差点案内標識」は縦2.2m×横2.8mといったように、標準的な標識板の大きさが決められています。ちなみに文字の大きさは漢字の場合、一般道路で30cm、高速道路では50cmが目安となっており、設計速度や交通量によっても変わります。

標識と背比べする機会なんてほぼありませんが、私たちよりもはるかに大きいとは驚きですね。ただ、その大きさゆえに冬場は標識の上に雪が積もり、道路などに落雪してしまうこともあります。対策として、北陸地方では標識屋根や雪割りを設置しているほか、人力での除雪も行われています。

道路案内標識は、雪国だと雪が落ちるように傾斜が強くなっている

見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア

また、落雪事故のほかにもうひとつ怖いのが、標識表面への着雪によって案内が読めなくなってしまうこと。東北地方などの降雪が多い地域では、対策として標識板の傾斜角度を30°程度にしています。これ以上大きくすると判読性が下がってしまうため、この角度が限界なのだとか。

なお、一般的な標識板もよく見てみると3°程度下に傾いています。これは標識板に使われている反射材料の性能を高め、視認性を向上させるためなのです。

着雪を防ぐ塗料を使用したものもある

雪国の標識の落雪・着雪対策は、ほかにもさまざまな方法が試行されています。例えば、北陸技術事務所の調査では、標識表面への着雪を防ぐ塗料として「フッ素チタン塗装」が有効だったことから、今後活用・普及させていくとしています。さらに別の場所でも、標識上部に傾斜板を設置したり、ヒーティング機能をつけたりと、それぞれ工夫が施されているようです。

このような対策は、豪雪地帯の住宅屋根の雪下ろし作業を軽減させるという、道路標識とは別分野への応用も期待されています。今後さらに画期的な方法が出てくるかもしれませんね。

これがないと雪道は走れない?!地味だけど重要な「矢印」

見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア

雪国の道路を走行していると、路肩を指し示すように下を向いた赤と白の矢印を目にしたことはないでしょうか。通称「矢羽根」「矢羽根ポール」と呼ばれるこの矢印は、正式名称を「固定式視線誘導柱」と呼びます。雪のない季節には、何のために設置されているかよく分からないかもしれませんが、雪が降ったときにはこれがないと怖くて走れないかも…。

見慣れた道路標識の小さな工夫。雪国ならではの道路標識トリビア

矢印が何を示しているかというと、車道の外側にある「車道外側線」、つまり道路の白線の位置を示しているのです。いつも走っている道なら、矢羽根がなくても分かりそうな…と思った方は大間違い。矢羽根は積雪量や吹雪の多い場所や、カーブなどの危険な場所に設置されていて、雪が降ったときの写真を見れば一目瞭然。道路は一面雪に覆われ、どこまでが車道かまったく分からなくなるのです。

普段、無意識にその下を通り過ぎていた「道路案内標識」も、数々の試行錯誤と工夫によってつくられていると思うと、ちょっぴり愛着がわいてきませんか? 冬ドライブで雪国を訪れた際には、ぜひ思い出してみてくださいね。

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