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身近なのに意外と知らない「ASV」のアレコレ

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技術の発達によって、クルマの性能も日々進化しています。近年は、自動ブレーキや車間距離制御など、安全運転をサポートする機能も普及してきました。今回は、このようなシステムを搭載したクルマ「ASV」について解説します。

そもそもASVとは?

「ASV(先進安全自動車)」とは、先進技術を利用して、ドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車のこと。聞き慣れないという方もいるかもしれませんが、実はASVの技術開発・実用化・普及を促進する「ASV推進計画」は25年以上前から国交省で行われており、現在も自動車メーカーなどとともにさらなる取り組みを続けています。

実用化されたASVの技術

これまでの推進計画で、ASVに実用化された代表的な技術は以下の6種類。

  1. 「衝突被害軽減ブレーキ」…前方の車両(障害物)との衝突を予測して警報。被害を軽減するために自動ブレーキをかける。
  2. 「車間距離制御装置(ACC)」…先行車との車間距離を一定に保つ。高速道路でのドライバーの負担を軽減し、渋滞緩和にも効果あり。
  3. 「横滑り防止装置(ESC)」…車両の横滑り時に制動力や駆動力を制御する。急なハンドル操作時や滑りやすい路面のカーブなどで活躍。
  4. 「レーンキープアシスト」…車線中央の走行を維持するために操作を制御する。ドライバーの運転負荷を軽減。
  5. 「ふらつき警報」…ハンドル操作のふらつきなどでドライバーの注意力低下を判断し、注意喚起する。
  6. 「駐車支援システム」…後退駐車時にハンドルを自動制御し、操作を補助。駐車が苦手な人でも、簡単に車庫入れが可能。

さらに現在は、ドライバーの死角にいる車両を検知し注意喚起する「リアビークルモニタリングシステム」や、ハイビームとロービームを自動的に切り替える「自動切替型前照灯」なども実用化されています。

同じ機能でも、メーカーによって名称が異なる

長期にわたって推進計画が続けられているASVですが、技術自体は知っていても名称にピンとこないという人も多いようです。その一番の原因に、ASV技術は自動車メーカーごとに名称が異なることが挙げられます。例えば「衝突被害軽減ブレーキ」は、トヨタ・レクサスでは「プリクラッシュセーフティシステム」、日産では「エマージェンシーブレーキ」、ホンダでは「衝突軽減ブレーキ」……などといったように、同じ技術でもメーカーによって呼び方が全く違うのです。 クルマを選ぶドライバーとしては、今後各メーカーでの名称の統一や、よりわかりやすい名称を期待したいところですが、現時点では購入前にメーカーごとの情報を吟味する必要がありそうですね。

ドライバーにとっての、ASVの位置づけは?

名称のややこしさはともかく、ドライバーにとってはありがたいことこの上ないASV技術。しかしこれはあくまで運転を「支援」するものに過ぎません。高度なシステムにも限界はあり、天候や道路状況、タイヤの摩耗状態、センサーの汚れなどによって作動状況は異なってくるので、過信しないことが大切です。走行前には必ず操作方法やシステムの特徴をしっかり確認しておきましょう。 ASVはこれからもますます高度化されることが予想されますが、今のところは“緊急時はドライバーが操作すること”を前提として開発が進められているようです。ドライバーのいらない「完全自動運転車」の登場は、まだまだ先の未来になりそうですね。

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