宮城県本吉郡南三陸町 三陸わかめ生産者
高橋直哉さん
その昔、海上交通の守り神を祀った香川県の金刀比羅宮に曾祖父が参拝したのをきっかけに、高橋家の船の名前は『金比羅丸』になりました。震災で養殖施設が流されてしまいましたが、幸いにも三隻の船は無事で。震災は大きな痛手でしたが、船が残ったことが再興への希望となりました。
『三陸わかめ』の品質の良さは日本でもトップクラス。色、光沢、葉肉の厚さなど、どれをとっても全国のどのブランドわかめにも引けを取らない品質だと自負しています。
南三陸町歌津泊浜の強みは内海と外洋の両面を使えるということ。波が荒い外洋ではめがぶは小さいけれど葉の長いスマートなワカメが育ち、内海ではめかぶが大きく葉も大きく広がるワカメが育ちます。
わかめは比較的手間のかからない作物ですが、それでも、日光をまんべんなく当てるためこまめに浮玉で浮力を調節し、光合成しやすい水位に保つこと、肉厚なわかめに育てるための間引きなどは欠かせません。
震災後、ボランティアに来てくださった全国各地の方々が三陸わかめの味や肉厚さに感動する表情や、楽しそうに養殖体験される姿を目の当たりにして、改めて漁師の仕事の意義に気づきました。『三陸わかめ』の美味しさをひとりでも多くの方に味わっていただくために、これからも手間ひまを惜しまず頑張っていきたいと思っています。
TOYO TIRE株式会社 保全課
石垣繁
入社以来、成型設備の電気関係のメンテナンスを担当しています。設備に不具合があると生産量にも影響しますので、できるだけ早く対応し、正常に稼働させるのが私たちの仕事です。例えるならかかり付けの医者のような存在ですね。機械担当が外科医で、我々電気担当は内科医のようなものでしょうか。
設備に不具合が出た時、まず我々電気担当が現場に駆けつけ、何が悪いのかその原因を突きとめます。プログラムの不具合なのか、電気系のトラブルなのか、または物理的な故障なのか。そういう意味では機械系に関しても一通り知識がないと判断できないんです。無事対応が終わり、現場の人に「早く直してくれてありがとう」と言われると、達成感とやりがいを感じます。
品質の高いタイヤを作るために、成型課では0.1マイクロメートルまでの精度を出せるCPU(中央制御装置)が内蔵された高性能のモーターを使用しています。しかし、次々と性能の高いモーターが新しく出てきますので、その度にそのモーターの交換やプログラムのアップデートが必要になります。つまりその度に「一から」勉強しなければならないわけです。そういう意味では、まさに終わりのない仕事ですね。「全き(まったき)を保つ」と書いて保全。これからも設備の「一番いい状態」を保ちながら、品質の高いタイヤをつくるという現場の期待に応えていきたいと思っています。
ここ宮城から、世界に驚きと感動を届けたい。一本のタイヤに、技術と情熱のすべてを込めて。日々、新たな挑戦を続ける仙台工場の様子をご覧ください。