宮城県加美郡加美町 わさび生産者
相澤洋子さん
わさびの栽培で大切なのは、つねにきれいで豊富な水が流れ続けていること。自らの成長を妨げる“辛味の成分”を洗い流す必要があるからです。
事業をはじめる時、栽培するところをいろいろ検討し、探し当てたのがこの味ヶ袋集落。元々天然のわさびが良く採れる場所で、近くを流れる鳴瀬川からの水脈があり、伏流水がずっと湧き続けている、まさにわさびに選ばれた土地でした。
『やくらい山葵栽培園』では、平坦な土地に水を張ってプランターにわさびを植える『ボックス式栽培』を採用しています。毎分5トンの地下水をポンプでくみ上げ、ひと株ずつ均一にいきわたらせることで、品質にばらつきが出ないようにしています。水が滞らないように、パイプの清掃は欠かせませんね。
現在1ヘクタールの敷地で約44,000株のわさびを栽培しています。
最近の和食ブームと本物志向のおかげで、料亭など様々なお客様からも「ぜひ、やくらい山葵栽培園のわさびを使いたい」という申し出をいただいています。それに伴って、栽培量を増やしてほしいという声も出ますが、水質と水量の条件を整えることが難しいですし、無理に広げて品質を下げるわけにはいきません。
このわさびの良さをわかってもらえる方に長くご愛顧いただけるよう、これからも一本一本精魂込めて育てていきたいですね。
TOYO TIRE株式会社 成型課
本田英之
タイヤはひとつのゴムの固まりでできていると思われがちですが、実はさまざまなゴムの部材を組合せ、貼り合せてつくられています。この貼り合わせていく工程を「成型」といい、大きく2つの段階にわけています。タイヤの内側部分にあたる「ケース」という筒状の部材をつくりあげる1st成型。そしてタイヤの外側部分にあたるスチールベルト・補強材・トレッドを貼り合わせ、1st成型で作ったケースと合体させる2nd成型。それぞれの部材は、接着剤などを使用せず圧着させて貼り合わせていきます。これらの工程を経て、まだ溝のないタイヤの原型「生タイヤ(グリーンタイヤ)」が完成。次の加硫工程へとバトンをつなぎます。
商品やサイズの切り替え時、機械の設定を変える「段替え」を行ないますが、設定が間違っていないかなどを段替え者と成型者が必ずダブルチェックします。さらに、成型工程の中、そしてできあがった生タイヤを台車に積む際にも外観チェックを欠かしません。
現在成型課は5つの係にわかれ、各係には3つの班があります。私が統括しているB班には約30名の班員がいます。なんと言っても安全・品質が第一優先。もちろん生産性を追求してはいますが、安全と品質をおろそかにして量産しても本末転倒、少しでも問題があれば設備を止めて確認・報告をしてほしいと班員には徹底しています。
ここ宮城から、世界に驚きと感動を届けたい。一本のタイヤに、技術と情熱のすべてを込めて。日々、新たな挑戦を続ける仙台工場の様子をご覧ください。