トップメッセージ

グループ一丸となって信頼回復を成し遂げ社会の期待を超えるCSRをめざしていきます。東洋ゴム工業株式会社 代表取締役社長 清水隆史

信頼回復に向けて

昨年、当社グループが製造・販売してきた建築用免震ゴム製品、および一般産業用防振ゴム部品の一部において、その検査工程等で不正行為があり、不適切に製品納入を行っていたことが判明しました。これにより、多くの関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけするに至ったことを、謹んで心よりお詫び申しあげます。

当社グループは、これら不正問題の度重なる発生を重大な事態と受け止め、まず、その原因と内在する課題に対して真摯に向き合い、会社として問題の総括と反省を行いました。そして、外部機関の支援もいただきながら、断行すべき再発防止策をとりまとめました。

事業基盤の総点検と再整備を主眼として優先的に行う「緊急対策」、経営基盤の再構築と確立に向けて長期的視野を持って行う「徹底対策」、いずれの施策についても推進部門を明確にして、全体の進捗管理を徹底しながら、責任を持って遂行しているところでございます。

このようななかで、国内外のお客さまやお取引さま、行政機関・関係団体の方々など、さまざまな関係先をできる限りお訪ねしてコミュニケーションを重ねてきましたが、お叱りやご助言など数々のご意見を頂戴しました。これらはすべて、当社グループへの期待をいただいてのものと実感しています。

本来、会社は社会のために必要とされる存在でなければならないと考えています。寄せていただいている期待に応えていくことが、当社グループの果たすべき社会的責任の第一歩であり、さらには、その「期待を超えていくこと」が社会に必要とされる前提条件だと思います。

現在、お客さまへの製品の交換・改修対応を最優先課題と位置づけ、グループを挙げてこの対処にあたっているところですが、もう一度、社会から期待していただける会社へと信頼を回復できるよう、再発防止策の徹底、会社の変革に取り組んでまいります。

ESGの強化充実

さて、本年度は当社グループが推進している中期経営計画「中計’14」の最終年度となります。業績面においては、目標としていた営業利益(520億円)を昨年、一年前倒しで達成することができました。

一方、コーポレートの施策としては、ESG、つまりEnvironment(環境への取り組み)、Society(社会との関わり)、Governance(企業統治)の強化充実を掲げています。これらに対してどのように取り組んできたかについて、このCSR報告書にまとめましたので、ぜひご覧いただきたいと思います。そして、いま一度、当社グループが社会の一員としてあるべき姿を実現していけるよう、皆さまからのご意見やご助言をいただきたいと存じます。

近年、企業に対する社会からの期待と要請は、ますます多様化かつ高度化してきています。昨年は「持続可能な開発目標(SDGs)※1」や「パリ協定※2」が採択され、深刻化する環境・社会問題に対して、国際社会がなすべき新たな枠組みが整ったといえます。

当社グループとしても、より広い範囲で一つひとつの課題解決に責任を果たしていかねばならないと考えており、本年6月には、主要原材料の天然ゴムを持続可能な資源とするための活動「SNR-i(Sustainable Natural Rubber Initiatives)」に参画する自主宣言を行いました。

このほか、女性やシニア層などが活躍できる多様な人材基盤、あるいは社員の潜在能力を引き出せる育成環境を整え、働くステージを豊かで活気あるものに変革していきたいと考えています。

また、一連の問題を機に当社グループが現在取り組んでいるコーポレート・ガバナンス、内部統制、コンプライアンス等の再構築は、まさにCSR経営の基盤です。私たちは今、この確立を成し遂げるチャンスを得ていると受け止め、ステークホルダーの皆さまに信頼していただける企業として、誠実に社会的責任を果たしてまいります。

本報告書では、本年度から当社グループのCSR活動をよりわかりやすくお伝えするために、社外有識者の意見も踏まえて策定した7つの重点テーマに沿って報告しています。ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを深めながら、「社会の期待を超えるCSR」をめざしていきたいと考えておりますので、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

  • ※1 Sustainable Development Goals:2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」で採択された2015年から2030年までの行動計画と目標
  • ※2 パリ協定:2015年12月に「国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」で合意された2020年以降の温暖化対策の国際的な枠組み

CSRの取り組み