≪緊急対策≫ 事業基盤の総点検と再整備

責任者(品質保証本部長)からのメッセージ

深い反省のもと「一からやり直す」ために、品質保証・管理体制の再構築に取り組んでいきます。

東洋ゴム工業株式会社 執行役員 品質保証本部長 上田 健一東洋ゴム工業株式会社
執行役員
品質保証本部長
上田 健一

2015年に公表した免震ゴム問題および防振ゴム問題は、東洋ゴムグループの「ものづくり」に対する社会からの信頼を大きく損ね、ステークホルダーの皆さまの期待を裏切る結果となりました。この事実を深く反省するとともに、再び同様の問題が生じることのないよう、再発防止を徹底してまいります。

再発防止の取り組みにあたっては、「一からやり直す」を基本方針として、当社グループの品質保証体制をルールと組織の両面から根本的に見直しています。特に、機能強化が必要な部分については、大幅な人員増強を図りました。また、内部の判断のみによる甘さを排除するため、外部の専門機関である(株)日本能率協会コンサルティングの支援のもと、お客さまから求められている仕様を満足する材料・工法で、製品ができているかどうかを確認する新たな品質管理手法も導入しています。

社会からの信頼回復に向けた道のりはまだ半ばですが、「ものづくり」の原点に立ち返り、あるべき品質保証・管理体制の再構築に引き続き取り組んでまいります。

全事業にわたる再監査の実施

免震ゴム問題の再発防止策の一環として実施した緊急品質監査や、品質・コンプライアンス調査委員会による監査では、防振ゴム問題の不正を発見することができませんでした。この事実を踏まえて、2015年11月より(株)日本能率協会コンサルティング(JMAC)に「監査手法の確立」と「全事業にわたる再監査」の支援業務を委託しています。

外部機関の知見を採り入れた監査手法の検証と抜本的な見直しにもとづき、より実効性のある再監査を全事業にわたって実施しています。東洋ゴム化工品(株)(CI)明石工場および国内のタイヤ製造拠点の再監査は、2016年3月末に予定どおり完了しました。

引き続き、国内外の製造拠点の再監査を計画どおりに進めていきます。

再監査の実施内容

監査種別 確認項目
(1)製品監査 正しい製品が出荷されている実態
(2)工程監査 正しい品質管理が行われ、全て記録が完備されていること
(3)業務監査 正しい品質規格・品質設計と矛盾のない社内規定の設定
(4)バリデーション監査 品質設計の科学的根拠、各基準類が論理的であること
実施項目
  • JMACによる当社監査の検証
  • 再監査の実施
進捗状況
  • あるべき工程管理内容の確立、再監査方法の決定 ⇒ 2015年12月末完了
  • CI明石工場および国内タイヤ製造拠点の再監査 ⇒ 2016年3月末完了
今後の取り組み
  • その他国内製造拠点の再監査:2016年9月末完了予定
  • 海外製造拠点の再監査:2016年12月末完了予定

CI明石工場の抜本的改革

CI明石工場は多品種少量生産の工場であるため、製造現場が複雑化し、品質管理に必要なQC工程表などの整備が不十分でした。また、そのような状況が、検査の実施や検査成績書の作成における業務内容の不明確さ、製造から出荷に至るまでの業務工程の非効率さを招く原因となっていました。

これらの課題解決を最優先として抜本的な改革に取り組み、2016年3月末までに不備のあった各要領書やQC工程表等の見直しと文書化を完了しました。

今後は各要領書等の運用と定期的な見直しを徹底するとともに、継続的な教育訓練の実施に取り組んでいきます。

  • ※各工程の品質管理上の特性を明確化するとともに、測定方法や計測機器なども定めた一覧表
実施項目
  • 業務の明確化および業務工程全体の抜本的改革
  • 検査成績書に関する不正行為を直接的に防止するための対策
  • 検査成績書の不正行為を制度的に防止するための対策
  • 技術および業務知識の引継体制の整備・強化
  • コミュニケーションの活発化
進捗状況
  • 各検査項目や基準、検査方法などの見直し ⇒ 2016年1月末完了
  • 要求品質や工程機能への反映、文書化 ⇒ 2016年1月末完了
  • 検査成績書作成要領等の運用 ⇒ 2015年10月より実施・継続
  • 全工程のQC工程表の作成 ⇒ 2016年2月末完了
  • 業務引継要領書の作成 ⇒ 2016年3月末完了
今後の取り組み
  • 各要領書・QC工程表等の運用と定期的な見直し
  • 教育訓練の継続的な実施

品質保証・管理体制の再構築

2015年7月より設置した品質保証本部を中心に、品質保証・品質管理体制の再構築に取り組んでいます。各拠点の品質保証部門を同本部の傘下として連携を強化するとともに、社内配置転換と外部人材採用の推進により2016年3月末までに人員を約2倍に増強しました。

また、JMACと協働して、製造段階における品質管理のみならず、設計や生産準備段階での品質企画および品質設計での改革に取り組み、品質保証システムの見直し・改善を進めています。

CI明石工場および国内のタイヤ製造拠点については、再監査を通じての見直し・改善が2016年3月末までに完了しました。

引き続き品質保証・品質管理体制の継続的な強化に取り組むとともに、その他の製造拠点についても品質保証システムの見直し・改善を進めていきます。

品質保証体制

品質保証体制図

実施項目
  • 品質保証体制の組織面での強化
  • 品質保証システムの見直しによる管理強化
進捗状況
  • 品質保証組織の体制強化(組織改編と人員増強) ⇒ 2016年3月末完了
  • 再監査を通じたCI明石工場および国内タイヤ製造拠点の品質保証システムの見直し・改善 ⇒ 2016年3月末完了
今後の取り組み
  • 新体制での組織運営の推進と継続的な強化
  • その他製造拠点の品質保証システムの見直し・改善

外部機関の声

品質監査活動を通じた現場力の再強化に期待しています

(株)日本能率協会 コンサルティング 品質革新センター長 宗 裕二氏(株)日本能率協会
コンサルティング
品質革新センター長
宗 裕二 氏

東洋ゴムグループの「体質改善のための品質監査活動」を支援しています。事前に行った現場視察およびインタビューの結果と、(株)日本能率協会コンサルティング(JMAC)が携わってきた各種の監査・コンサルティング実績から、品質管理・品質保証のあるべき姿を描き、そこから設定した監査基準にもとづいて監査を実施しています。従って、監査基準はJMACが独自に設定したものであり、東洋ゴムグループにとっては、品質保証上のJMACが考えた課題ともなっています。

そのため、品質監査においてはさまざまな改善提案が出てきますが、それらを根本から是正するスピードと惜しみない努力にはいつも感心しています。通常1年はかかると思われる活動であっても、3カ月ほどで完了させるような勢いです。情熱的でさえあります。

本活動を通じて、品質保証の原点を再確認し、現場力をあらためて強化している東洋ゴムグループの組織力は、業界の活性化にも大いに寄与すると思われます。今後の発展を祈念し、期待しています。

CSRの取り組み